2013年10月30日

湘南国際直前ランニング。

 今年のハセツネが終了して、随分と経ったが、
 なんとなく身体が重たく、疲れが溜まり、
 ほとんど走らない日々が続いている。

 気がつけば、文化の日。
 今年の湘南国際マラソン、直前。
 疲れた、疲れたと言いながら、
 事前対策的に、練習をしていてない
 テイタラクで、完走も厳しいかもしれない。
 まずい。
 おまけに、11月に入ると、春、花、ノンは
 大阪神戸方面へ旅に出ると言っている。
 ついていってもいいのだけど、
 他にも、学校のお友達と一緒に行くみたいだから、
 私は、湘南国際を選択した。
 ランナーだし。
 なので、今回も家族の応援はなしだ
 ホホホ。
 だいたい困るのは、食事。
 何を食べてもいいという自由はあるが、
 いちいち、面倒くさい。
 多少、自暴自棄になっているか、
 レースの2日前に、飲み会の予定をいれた。
 飲み過ぎに注意だ。自制する心が大切だ。
 大丈夫なのか。
 練習不足、栄養不足、アルコール過多。
 しかし、ハセツネ以降、ゆっくり休んだおかげで、
 身体に疲れが溜まっていない。
 湘南国際では、十分、無理が効くような気がする。
 目標は、自己記録更新。
 できれば、3時間10分を切りたいがそんなに甘くはないさ
 フルは、18,000名が走るらしいが、
 今回のゼッケンは、950番台。
 何気にプレッシャー。
 ついに、Aゾーンスタート。
 スタートが近づいてきた。
 胸は高鳴っています。
 イエイ。

 レース翌日の11月4日には、高尾(のどこか)で
 青空宴会を開催する予定。
 今のところ、参加者は、いっちさん、チャレさん、
 ホシヲさん、怪盗さん、レイさん…など、モノズキで素敵な方々。
 秋になり、各地で様々なレースが開催されていますが、
 その中締め的お疲れ様会とのこと。
 いろいろ運ぶので、リクエストあったら言ってください。
 参加は、フリーです。
 朝9時に、高尾山口駅に集合です。
 お時間許す方は、是非!
 (コメント欄でも、runninghello@gmail.comでも、
 お好きな方に、ご連絡下さい。)
 
 
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2013年10月20日

第21回ハセツネランニング(後篇)。

 大岳山山頂。(53.71k:23時23分: スタートから10時間23分)
 ぎゅん。
 ついに、ここまで来たか。
 もう53kも移動してきたのか。
 ちょっと立ち止まって、夜空を見上げる。
 カシオペア座が見える。
 月が見える。
 月明かりに照らされて山の稜線が見える。
 今まで走ってきたところなのかな。
 醍醐丸(15k地点)、生藤山(20k地点)かしら。
 よくわからない。
 肩を回して、首を動かし、太腿をもむ、深呼吸をする。
 ここから先は、下り基調。下りトーン。
 一気にケリをつけるべき場所だ。
 僕に残された時間は、後2時間30分。
 距離は、約20k。
 間に合いそうだけども、よく分からない。
 兎に角、進む。走る。
 BobDylanの「デューケイン・ホイッスル」のメロディが
 頭の中で流れてきた。
 今まで、音楽が流れることがなかったが、
 先が見えてきたことで、余裕、利益が生まれてきたのか。

 いい感じで、再スタート。
 ヘッドライトとハンドライトの灯りを頼りに
 グイグイと下る。
 ヒザにかかる衝撃が物凄いが、幸い痛くはない。
 時々、ジャンプでも対応もする。
 しかし、調子に乗ると、すぐコケそうになる。
 ヒヤリとする。
 ホント、危険。

 御岳山へ向かう道は、比較的整備されていて走りやすい。
 つづら折りになっている辺りは、
 結構なスピードで走る事ができる。
 御岳神社前の水場は、今日も滾々と水が流れていた。
 ハイドレと、ペットボトルに水を詰める。
 ついでに、直に飲む。
 本当に美味しいわ。
 人は、水なしでは生きられない。
 好きなだけ飲むことができる。
 ホホホ。
 これで、ゴールまで水の心配はしなくていい。
 充足。安定。利益。
 喜んでいたら、すぐ5分程過ぎてしまったので、
 こりゃ不味いと走り出す。

 御岳山到着。
 (第3関門:58.00k:0時08分:スタートから11時間)
 日付が変わった。
 深夜12時。
 さすがに、みんな寝ているだろうな。
 僕は、なぜか奥多摩の山の中を走っているのだけども。
 残りゴールまで、13.5k。
 13時間切り、言い方変えると12時間台でのゴール、
 いけるのじゃいないか。
 なんだか希望が膨らんで、いい感じに集中してきた。
 気を抜くなよ、自らを叱責しながら、
 御岳神社の脇を通り、古めかしい参道商店街を抜ける。
 沿道では、深夜だと言うのに、地元の人が火を焚きながら
 応援してくれていた。
 一緒に火にあたろうとしたら、
 「あっち、あっち」とコースを指さされた。
 その先には、日の出山。次の目的地だ。
 なんだか大晦日みたいな雰囲気の御岳の町を、
 キロ6分位の速さで駆け抜けて後にした。

 日の出山直前は、900mの階段が続く。
 ここに女の子のスタッフがいて、
 「後、900mで日の出ですけど、この坂はキツイです。」
 と教えてくれた。
 御嬢さん、今まで60kもの道を走って、
 ここまで来たのだよ。今更900mなどね
 余裕です。利益です。と言って、うらあと、
 上り始めたが、僕はそれ程、強靭ではなかった。
 まあ、すぐ歩きだした。力尽きた。
 実にキツイ階段で、嫌になった。
 ハアハアと自分の激しい息遣いが聴こえる。

 普段は大したことはないだろうけど、
 今日は、まるで仰々しい階段を上りきり、
 ようやく日の出山山頂へと出た。
 (標高902m:60.55q:0時33分:スタートから11時間33分)
 眼下には、都心や関東平野の夜景が一望できる。
 キラリキラリと光るオレンジ色の文明世界。
 その上にオリオン座がキラリキラリと輝いている。
 更には、久遠の宇宙。きっとどこまでも広がっている。
 スタッフの方が、東京スカイツリーがライトアップして
 いるよと教えてくれたけれども、よく分からなかった。

 日の出山山頂で、最後の補給をしよう決めていた。
 おにぎり、唐揚げ、パワージェル、水、アミノバリュー。
 次々に口に運ぶ。
 後、残り11kに向けてエネルギーがチャージされる。
 気力が溢れてくる。
 グワッ。
 しかし、春が作ったおにぎりは、
 誠に美味しいのだけども、直前に海苔を巻いて
 食べる方式だった。
 それをスタート前に知って、慌てて
 各おにぎりのサランラップをはぎ、
 海苔を巻き付けた。
 おまけに、プリキュアふりかけも入っていたので、
 おにぎりにまぶした。
 仮に、知らないまま走って、
 山の中で、海苔を巻き、ふりかけをまぶす事に
 なったら、おそらく帰って喧嘩になっていたことだろう。
 危ないところだった。
 ちなみに春は今年もゆで卵を入れてくれた。
 レース中に食べられなかったけども。
 キラキラと輝く絶景夜景を見ながらのエネルギーチャージが
 終わり、最後の11kに向けて走り出す。
 ここからは、金毘羅尾根というダウンが中心の
 尾根道になる。

 この区間は、チャレさんが魂で走れと言っていたところだ。
 力尽きてもて、身体が朽ちても、ゴールをめざして
 走らなければならない。
 時計の針は、0時40分を回っていた。
 リミットは、1時間20分だ。
 ロードだったら、11kを1時間で走るなんて
 大したことでないけども、ここはトレイル。
 すっかり馴染んだとはいえ幽幽たる暗闇。
 何が潜んでいるかわからない。
 私が走っていたゾーンは、時折、まったくの単独走に
 なることもあったけども、いつも2.3人は前後に見えた。

 熱情をもって走り出したが、思ったより
 スピードが上がらない。
 ポコポコポコと音がするようなスピードしか出ない。
 意識は、遥かに前へ向かうけども。
 前に似たようなスピードのランナーがいたので、
 くっついていく。
 コース取りを真似する。
 絶対、離されまいと、クンクンと近くで走る。
 僕は、基本的には後ろにつかれると
 鬱陶しいのと、プレッシャーで、ストレスを感じるタイプなので
 すぐ道を譲ってしまう方だけど、
 今回ついた方は、3k位は一緒に走ってくれた。
 そのうち、やはり嫌だったのか、「どうぞ」と言って
 道を譲ってくれた。
 こちらは、あなたについていきますと心に決めて
 いたのだけども、それなら仕方ない。
 ポーンと前へ出て、スピードを少し上げる。

 やがて森閑とした森の中で、単独走となった。
 自分の息づかい、トレイルを踏みしめる音しか聴こえない。
 御前山を下る頃から風は止んでいる。
 静寂だ。
 もうすでに60kの道を走り、もうすぐゴールになる。
 山はもう懲り懲りなのだけど、
 まだ、ここにいたいという寂寞とした思いもよぎる。
 そして、万物に対して感謝の気持ちが
 こみあげてきたのが不思議だ。
 それは、大げさだけど、生きて帰って来られたという
 安堵の気持ちがあったからかもしれない。
 音もなく暗闇の中を一人で走り、
 果てしない金毘羅尾根も終わりがきた。
 武蔵五日市の町が見える場所まで来た。
 永遠と続いた山を出た。
 ここから傾斜のきついコンクリートの坂道を
 つづら折りに下っていく。
 筋肉の疲労がピークになり、足のつま先が痛くて、
 ブレーキをかけて降りていく。
 足を引きづりながら、ゴールをめざすランナーを抜く。
 ゴール直前なのに、つっぷしているランナーを抜く。

 住宅街へ入る。
 後1kだ。
 スタッフの方が大きく、赤いライトを振る。
 赤い軌跡。
 あの角を曲がればゴール。
 全身から湧き上がるエナジー。
 エネルギーの軌跡が走る。
 血が沸き立つ。
 スピードが上げる。
 ゴールする時はいつも同じだ。
 黄色く光るFINISHゲート。
 疾走。疾風。
 フィニッシュ。
 一瞬、ホワイトの世界。
 71.5k。
 長い。
 けど、一瞬。

 フィニッシュタイム:1時53分。
 記録:12時間53分28秒。
 順位:363位/1861人中。

 ゴールには、いっちさん、ホシヲさん、す~さん、
 としさん、松井さん(今年、初ハセツネを11時間台で走った、すごい)、
 めー。さん、ともこさん、る〜ぷさん、てーいさんが待っていてくてた。
 皆が祝福してくれた。喜んでくれた。
 とても、嬉しいゴール。歓喜のゴール。
 いっちさんが、コカ・コーラをくれた。
 果てしなく美味しいよ、これ。

 第21回ハセツネCUP。
 自分と向き合い可能性・限界を感じながら
 走り続ける71.5k。
 今回は、なんとか、12時間台でのゴール。
 目標はクリアできたけども、まだまだ
 うまく速く走ることができる気がする。
 この先のことは、まだわからないけども、
 また、走りたくなるような気がする。
 どんな形であれ、まだまだ道は続いている。
 フィールドは広がっている。
 ともかく、2013年のハセツネは終わり。
 エキサティングで刺激的で、情熱を傾けた
 2日間だった。
 すべてに感謝。
 有難うございました。



 


 
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第21回ハセツネランニング(中篇)。

 西原峠(32.19k)を越えて、三頭山への上りへ
 差し掛かる。
 ハセツネ三山のひとつ、三頭山の標高は、1,527m。
 ハセツネの中でも難所と言われるところだ。
 しかし、山としては、然程高くはない。
 1500m級の登山は、なめてはいけないけども、
 たいしてキツイものでない。
 的に考えて、これは登山なのだと割り切ってみた。
 確かに、傾斜はキツく、重力に逆らって上るのは辛い。
 が、これは、登山。
 いつか登った富士山は、3676m。
 いつか登った蝶が岳は、2664m。
 それに比べて、三頭山は、1527m。
 しかも、手前の西原峠の標高は、1,158m。
 400mほど上がるだけ。
 ということは、辛い時間もたかが知れている。
 ホホホホホ。
 的な心構えで攻めることにした。

 皆さんは、六根清浄をご存じだろうか。
 六根とは、人間の五感に、第六感の意識を加えたもの。
 それを、生の執着を断ち、魂を清らかにする為に
 清浄するという思考。
 そして、その昔、富士山や大山の修験者達が、
 「六根清浄、六根清浄」と、唱えながら、
 きつい山道を登ったらしい。
 六根清浄と唱えることで、登りにリズムが出るし、
 気が紛れるし、魂も清らかになる。
 いいよね。
 そんなことを思い出して、
 「六根清浄、六根清浄」と唱えながら登った。
 飽きたら「英明果敢、英明果敢」と、
 僕の好きな四字熟語を唱えた。
 意識は、クリアだと思っていたけども、
 今、思い出すと、アブノーマルかもしれない。
 しかし、六根清浄マントラの力は絶大で、気が付くと
 三頭山避難小屋で、そして、程なく階段となり、
 三頭山頂上へと着いた。
 (36.32k:19時35分:スタートから6時間35分)
 ハセツネスタッフの方が、赤いランプを振りながら
 「三頭山、頂上ですよー。お疲れ様でーす。」と
 教えてくれる。
 遥か遠くのすそ野に、街の明かりが見えた。
 今は、団欒の時間だろう。
 こうして、暗い山の頂からその光を見つめている人もいるのだよ。
 フフ。
 PowerBarのジェル、
 Amino-Valueの顆粒タイプ(BCAA)を摂取。

 三頭山は、36k地点。
 ハセツネコースの、半分だ。
 当然、疲労しているけど、比較的元気だった。
 第2関門の月夜見駐車場まで、4時間で行かないと
 いけないので、足早に下り始める。
 鞘口峠、風張峠と過ぎて、約6kだ。
 約1時間20分ある。行けるかもしれない。
 ここから2kの急な傾斜の下りが続く。
 岩がゴツゴツとしてジグザグだ。
 下りなので、躍り上がるほど、気が楽だが、
 ここは、チャレさんが、昨年のハセツネで捻挫した場所なので
 慎重に用心深く下る。
 一気に、400m下り、鞘口峠(38.02k)。
 ここは、風の通り道。いつ来ても気持ちのいい風が吹いている。

 ここまでくると、後4kで、月夜見駐車場だ。
 ハセツネ唯一のエイドがあり、水がもらえる。
 幸い、ハイドレの水には余裕があった。
 ペットボトルも、アクエリアス&レッドブルのミックス飲料を
 入れていたけど、こちらもまだ半分は残っていた。
 風張峠を過ぎると、少し一般道を通る。
 暗澹たる暗闇を走ってきた身としては、
 街灯はあるし、地面は平だし、固いアスファルトの道は、
 誠に走りやすい。
 うれしくなって、月夜見駐車場手前では、ランナーを
 けっこうパスした。
 で、月夜見駐車場到着。
 (42.09k:20時42分:スタートから7時間42分)
 僕の関門タイム、4時間もクリア。

 駐車場は、ライトアップされていてテントがあり、
 たくさんの人がいる。
 ハセツネ唯一のエイドで、水がもらえる。
 結局、ハイドレの水は、余ったので、
 グイグイと飲んだ。
 実に贅沢で豊かな気持ちになった。
 やはり人には余裕が必要だ。
 収入から費用を差し引いて利益が残るようじゃなきゃダメだ。
 ちょっとバッファも出来たので、15分間休憩をとった。
 おにぎりが美味い。唐揚げも美味い。みかんも美味い。
 パワージェル、アミノバリューも美味い。
 比較的、コンディションはよかったと思う。
 京都からやってきた関西ランナー界の雄、
 たかっちさんが到着した。
 まるで元気そうだ。
 ここで、会えたことが嬉しい。
 健闘を讃え、再びスタート。
 20時55分頃。

 次にめざすは、ハセツネ三山の2番目、御前山(標高1405m)。
 いったん、月夜見駐車場から、のっぺりとして、
 湿ったまっすぐな道をかなり下る。
 昼間ならスピードを上げて下ることができるが、
 夜なので見えないし、怖い。
 ブラックホールのような闇黒に飲み込まれそうだ。
 結果、ヨチヨチと弱気のランとなる。
 これが、トップ選手だと、勇ましく果敢に突進するはず。
 下りきると上りが始まる。
 その繰り返し。延々と繰り返し。永遠の暗闇。
 御前山は、いつもバテてホトホト嫌になるホットスポットだ。
 けども、今年の私には、魂の六根清浄がある。
 ここからは、登山だ。
 月夜見から頂上までは、4k。
 そんなに遠くない。
 私を、なめてもらっては困る。
 などと鼓舞しつつ、一歩一歩、六根清浄で登っていく。
 巻き道に入れば、走り出さねばならない。
 坂になったら歩く。ただしなるべく早く。
 その繰り返し。延々と続く。永遠の暗闇。
 コースには、寝ている人も、座って虚空を見つめている人もいる。
 がっくりうなだれて肩で息をしている人もいる。
 自分も、いつそうなるか分からないけど、
 今は、なんとか動いている。いける。
 このまま、行けばいい、このまま。
 「六根清浄、六根清浄」もしくは「英明果敢、英明果敢」。

 御前山到着。
 (46.57k:21時55分:スタートから8時間55分)
 意外とあっさり登れた。マントラの力だ。
 御前山山頂は、スタッフも少なく、もの寂しさが漂っていた。
 その替わり、夜空に、星が散りばめられ、月が輝いていた。
 ハッキリとクリアに美しい。
 キラリキラリと光る星たち。白い閃光を放つ月。
 暗闇も悪くない。
 アホのように、口を半分開けて空を見上げていたが、
 見とれている余裕などない。
 行け。
 幸い、ここから大ダワ(ダワは峠という意味、大ダワは
 大きな峠ということか)までの3kは、下りだ。
 しかし、大きな岩がゴロゴロしている下りで、
 走れたものではない。
 女性ランナーが「キャー下り苦手ー」と、
 叫びながら下りていた。下りは苦手でも、上りはきっと
 凄い速さなのだろう。
 手をつかって、慎重に下る。
 そのうち、平らな巻道みたいなところに出る。
 走れる所になると、基本走る。
 確か、昨年、このあたりで意識が朦朧として転倒して、
 崖になっているところに落ちそうになった。
 咄嗟につるに捕まり、何とか助かったけども、
 危なかった。
 しかし、今年は、昨年とは違う。
 意識は、明瞭爽爽で、トレイルがよく見えている。
 眠くもない。
 昨年よりは、全然走れている。
 しかし、御前から大ダワまでの3kは、なんだか遠く
 いつまでたっても同じ所をループしている感じだった。
 嫌になるというか。
 けども、我慢していれば、やがて出口は見える。
 人の声がして、赤いライトの軌跡が大きく円を描いているのが見える。

 大ダワ。(49.77k:22時30分:スタートから9時間30分)
 リタイア申出所があった。
 トイレを済まして出てきたら、ネコさんが
 暗闇から、唐突に現れた。
 僕の先を行っていたはずのネコさんだけども、
 どうやら、どこかで追い越したらしい。
 月夜見にはいなかったので、大ダワまでの間だ。
 まったく気がつかなかったけども、聞くと
 胃が気持ち悪くなり、体調がすぐれないらしい。
 「ちょっと休む」と言って、豪快にひっくり返った。
 どうすることもできなくて、複雑な心境になったが、
 僕は先をめざすしかない。
 行くよ、ネコさん。
 後、21k。

 ここから、ハセツネ三山の最後、大岳山(標高1266.4m)への
 登りが始まる。
 頂上までの4kを登りきれば、後は五日市のゴールまで、
 下り基調が続く。
 ハッピーだ。嬉しくなる。
 この頃は、走れる場所があると距離を楽に
 稼げるような気がしてちょっと嬉しかった。
 スピードは、転ばないように走るから決して早くない。
 だから、そんなにキツくない。
 前後にも、そんなに人がいないので、自分のペースでいける。

 また傾斜がキツくなろうという所に
 テントがあって、そこに、2人の男性がいた。
 「ここからキツイですよー」と顔の見えない男は
 棒調子で言っていたけども、鬱蒼とした山の中で
 最後のランナーが来るまで、そうして教えてくれるのかと
 思うと感服した。
 気を引き締めて、キツイ坂を上る。
 大きな岩がゴツゴツしているから、手も使ってよじ登る。
 しかし、ここさえ、登りきれば、後は下り基調。
 六根清浄。
 ハセツネ三山の大岳山と言っても、標高1266m。
 富士山に比べれば…みたいな同じ思考が、
 何度も何度もループする。
 大岳山には、その昔、ネコさんが頭をぶつけて暗闇の中、
 転倒したという、通称ネコ岩がある。
 誠に恐ろしい場所だけども、今回は、そこを通過する時、
 後ろのランナーが「前、ここで、頭ぶつけて血を流した
 ランナーがいたらしいからね。気を付けて!」なんて言っていた。
 血を流したランナーを、僕は知っている。
 ネコ岩を過ぎれば、大岳山山頂も近い。
 けども、鎖場があったりして、楽には登らせてくれない。

 つづく


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第21回ハセツネランニング(前篇)。

 第21回ハセツネCUP
 昨年に続き、今年も出場。
 朝、6時過ぎ、さぶろうさんと、
 スタート会場の五日市中学校入り。
 待機場になる体育館が開いたのが7時。
 そして、レースの受付、準備、雑談などをしていたら、
 あっという間にハセツネのスタート時刻がやってきた。

 空は、まるで秋晴れ。爽やか。
 気温は、20℃を越しているだろうけど、気持ちのいい温度。
 湿度も、からり。問題ない。
 チャレさん、さぶろうさん、アレキさん、みわっちさん、
 す〜さんご主人、まんちんさん、まーこさん、ホシヲさんと
 完走をやくして、 ハンサムネコさんと、スタートを待った。
 10分位に前に、スタートに並んだ。
 ランナー同士の距離は近く、タンクトップで筋肉隆々、
 荷物は軽く、目つきがどうも鋭い、みたいなランナーを
 見ると怯えてしまうが、僕は僕さ。
 いろいろ考えているうちに、スタートの瞬間は来た。

 13時。
 2800名が一斉に、スタート。
 五日市中学校の校門ゲートからランナーが放出、放射される。
 歓声を上げて応援してくれる人達。
 写真をパシャパシャ撮る人達。
 熊鈴が鳴り響き、お祭り騒ぎだ。
 これから始まる71.5キロのトレイルレース。
 コースは、奥多摩山域を走る71.5kだ。
 五日市中学校スタート→変電所→今熊神社→市道山分岐
 →醍醐丸→生藤山→浅間峠(22.66k第1関門)→笹尾根→槇寄山
 →三頭山→鞘口峠→月夜見駐車場(42.09k第2関門)→御前山→大ダワ
 →大岳山→御岳山(58.00k第3関門)→日の出山→金毘羅尾根→
 五日市会館フィニッシュ(71.5k)
 いくつもの山を越える。
 累積標高差は約4,600m。
 茫洋たる気持ちでスタート。

 五日市中学校の近くにスーパーいなげやがある。
 その辺りを、ダッシュすることを「いなげやダッシュ」という。
 グワーと駆け抜けて、なるべく好位置をキープして
 山に入った時の渋滞ロスを緩和するのだ。
 今年は、ハンサムネコさんに、
 ついていこうと思っていたが、
 ネコさんは、「いなげやダッシュ」を決め、僕は即座に見失った。
 もちろん僕は僕なりに、いなげやダッシュを決めた。
 昨年は、愚かにも、9Lのリュックを背負い、
 7Lのウェストポーチを腰に巻いて走った為
 非常に走りにくかったが、今年は違う。
 ノースの14Lのバック1つ
 随分と走りやすい。
 そりゃそうか。

 武蔵五日市の街を2kほど走る。
 沿道には、たくさんの笑顔の応援。
 人波に押されるようにして、山の入り口、今熊神社(4k)。
 権現造りの拝殿が荘厳だなあ、と感心することはなく
 鳥居をくぐり、山に入る。
 ここからゴールまでは、ずっと山の中。森の中。
 エバーグリーンな世界。
 まずは、今熊山。
 今熊山頂に、今熊神社御本殿があり、その参道を
 登っていく。
 まるで、信仰心の篤い参拝者。
 選手が、キレイに連なっている。
 急な坂道を、重力に逆らって上るというのは
 そもそも辛い行為だ。
 けども、そのスピードは比較的早い。
 始まったばかりだし、
 お握り食べたばかりだし、
 晴れた空から注ぐサンシャインが美しいしと
 肉体的にも精神的にも
 まるで元気なので、チャッチャッとついていく。

 今熊山頂では、ちゃららさんが応援に来ていた。
 大きな声で、踊るように応援してくれる。
 うれしい。
 「ネコさんは、先行っててるの?」と聞いたら
 「だいぶ、前」と教えてくれた。
 なぜかネコさんに会いたい。
 そこから、道は本格的なトレイルになって
 静穏な雰囲気になっていく。音がしない。

 入山峠(7k :13時56分到着: スタートから1時間)。
 峠には、車で来られるので、たくさんの応援の方々がいる。
 ちょっと賑やか。
 熊鈴がカラカラと鳴り、メガホンがポコポコと音を立てる。
 それに笑顔。
 入山峠の階段のところは若干混んでいたけども、
 トレイルに入ると、混雑はすぐに解消する。
 すると、走り出さなければいけない。
 ここから、生藤山(標高990.3m)までは
 上がり基調、その後、第1関門の浅間峠までは下り基調。
 大枠ではそうだけど、実際は、
 大小小刻みのアップダウンが続いて地形を構成。
 これがラン的には、キツイ。
 対応していると、どんどん体力が奪われていく。

 昨年のレースでは、市道山を過ぎたところで、
 コケて、足が攣り、神を呪ったけども、
 今年も、足が攣りそうな気配がしてきた。
 プルプル、ピクピクと筋肉が震えて出した。
 どういうわけか、右太腿、左太腿、
 右ふくらはぎ、左ふくらはぎと
 とコリが移動していく。
 痛い。
 痙攣が怖くて、思い切り走れない。
 暗澹たる気持ちになったが、練り梅塩飴を摂取。
 塩分をとれば、痙攣が治ると、どこかで聞いたからだ。
 が、しかし。ゴッド。
 痛みは消えない。まだ、序盤だ。始まったばかりだ。
 時々、止まってマッサージをしてもダメだ。
 ガット。シット。
 午後の日差しは、相変わらず柔らかだ。
 スピードを落とし、ゆっくり行くしかない。
 すると前に痙攣らしき症状で、膝立ちをしているランナーがいた。
 追い越すランナーが、「水分を多めにとるといいですよ
 と言って去って行った。
 何?そうなの?
 ハセツネは、42k地点で水1.5L補給されるだけ。
 今回は、ハイドレに2L、ペットボトルで5dLの
 計2.5Lを持っていたが、先のことを考えて
 水分補給は実にけち臭い飲み方をしていた。
 天啓。
 思い切って、贅沢に、ハイドレの水をグビグビ
 と飲んだ。
 ホホーン。
 ゴッド。先ほどのランナーは神か。
 有難うございます。サンキュー。メルシャン。
 コリがスーとひいて、足が正常状態に戻った。
 なんだか狐につままれたような感じだ。
 心の不快な塊は消え、エネルギッシュ・
 活動的となり、果敢に攻め始めた。
 その後も、攣りそうにはなったけども、
 水を多めに補給したら治まった。
 プラシーボ的な要素もあるだろうけど。

 醍醐丸(八王子最高地点標高867m:15.2k)では、
 どららさんが応援してくれた。
 噂のミニー隊もいる。
 木と石と土と草の、エバーグリーンの世界が、
 パッと華やかになった。
 写真を撮りながら走る。
 ブレたけども、撮り直している暇はない。
 デジカメ写真は、時間情報も記録されるので
 便利だ。
 昨年は、ペンと紙を持参して、メモを取りながら
 走ったが、実に愚かだった。
 そして、再び、静寂な山の世界。
 生藤山(標高990m:19.34k)を越える。
 西日がさす尾根道。
 柔らかな日差しに包まれる。
 走っていても、精神が浄化されたような気持ちになる。
 山の中は、音もなく、自分の走る音しか聞こえない。
 さほどアップダウンがないところでは、
 その単調さから、どこか精神世界を
 彷徨っている風な気持ちになり、
 フワーと身体が軽くなり、「甘美・・」
 などと呟いた瞬間に、我に返ることがある。
 無理に咳払いしたり、首を振ったりしたことがあった。

 浅間峠(22.66k:16時43分到着:スタートから3時間43分)。
 第1関門だ。
 タイムを計測するマットを通過して、しばらく休憩。
 今回のレースは、14時間切りを目標としていた。
 けど、スタート前の五日市中学校体育館で、
 くつろいでいる時、ネコさんやマコさん達が
 4・4・5で、13時間を狙ってみたらいいと
 薦めるので、じゃあ、そうしますかということになった。
 4・4・5というのは、
 第1関門の浅間峠(22.66k)まで、4時間。
 第2関門の月夜見駐車場(42.09k)まで、4時間。
 そこからゴールまでの30kが5時間。
 で、計13時間で走るプラン。
 1つの基準になるらしい。
 なんとか浅間峠に、4時間以内で着いたので、
 僕の第1関門はクリアだ。
 イエイ。
 浅間峠は、応援の方々の歓声が溢れ、
 休憩するランナーや、大会スタッフや
 大きな犬を連れてきている人などで
 なかなかの混みよう。
 お腹は空いていなかったけども、
 水分補給目的で、ゼリーと、みかんを食べた。
 10分の休憩の後、再びスタート。

 浅間峠(標高860m)から、西原峠(標高1158m)までは、
 高度は上がっていくけども、僕の気持ちの中では
 比較的なだらかで走りやすいイメージがある。
 しかし、漆黒の夜が来る。
 浅間峠をスタートする頃、太陽が沈んだ。
 広がる空のオレンジのグラデーション。深緑の稜線。
 忍び寄る夜が不安で、家に帰りたくなった。
 今頃、みんなはテレビでも見ているのかな。

 太陽が沈み、闇黒の闇が広がった。
 ヘッドライトとハンドライトを灯す。
 今回は、ノンの自転車についていたLEDを
 借りて、ハンドライトとした。
 これが、白く明るく、光のない世界がクリアリーになった。
 いいじゃないの、いい。ホホホ。ノンありがとう。
 今夜は、自転車乗れないけども簡便してくれ。
 で、進む。走る。
 18時ごろ、お腹が空いたので、コース脇で
 おにぎりと唐揚げを食べた。
 これは、春にお願いして、作ってもらったもの。
 なんせ71.5kのレースだ。
 上位の選手達は、レース中に、おにぎりと唐揚げなど
 を食べていると次々と抜かれ、下位の選手になってしまうが、
 僕は一般ランナー。
 腹が減っては戦はできない。
 と、食べる。
 涙が出るほど、美味しい。
 この味を知らない上位選手は可哀そうだ。
 が、1つは食べきれず、1/3は残した。

 この辺りの道は、笹で地面がよく見えないけども、
 平でサクサクと走れるところだ。
 走れる場所では、きっちりと走る。
 サクサクと言ってみたけど、実は嘘で、
 実際は、たまってきた疲労や、孤独感で、走りたく
 なくっている。つらいし。
 けども、惰性というか慣性というか、
 今まで、ずっと進んできているので、
 その流れで、ただ黙々と、淡々と進む。
 昼間は、20℃を超える暑さだったけども、
 夜は涼しくなり、実に気持ちのいい塩梅だった。

 【装備】
 ザック:ノースフェイスマーティンウィング14L
     (水と補給食、ヘッドライト、ハンドライト、絆創膏、ごみ袋
     予備電池、ジャケット)
 ウェア:ノースキャップ、ノースTシャツ、ファイントラック
     アームカバー、ロングタイツ、ナイキのショーツ
     R×Lソックス5本指、指だしグローブ
 膝回りにモーラステープを沢山貼った
 シューズ:ノースフェイス Single-Track HAYASA
 ライト:ブラックダイヤモンドのSPOT、ノンのハンドライト
 
【水と補給食】
 水分:キャメルハイドレ水2ℓ、アクエリアス&レッドブル500mL

 補給食:おにぎり3つ(全部食べた)、唐揚げ6個(5個食べた)、
 ゆで玉子1個(残った)、みかん3個(全部食べた)
 ゼリー3個(1個摂取)、パワーバージェル4個(3個摂取)
 スポーツようかん1個(残った)、塩飴10個(2個摂取)、練り梅、
 キットカット小袋4個(1個摂取)、ビスコ小袋5個(残った)
 アミノバーリュー顆粒6袋(6袋摂取)



 つづく



posted by hide at 10:25| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月14日

ハセツネ2013のご報告。

 第21回ハセツネ報告。
 暑いと思っていたけど、さほどでもなく
 意外と身体が動いて、
 午前2時前、無事ゴール。

 タイム:12時間53分
 目標は、14時間切りだったので、クリアできて
 とりあえずはよかった。

 今年も、ハードなレース展開でした。
 ゴールには、たくさんの仲間が待っていてくれて
 涙がでました。

 大会関係者、地元の方々、応援していただい皆さん、
 本当、有難うございました。






posted by hide at 16:10| Comment(12) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月12日

多摩川ランニング。そしてハセツネへ。

 何かの拍子で、背中をひねって鈍痛。
 走ると、ズキズキして更に痛くなるので、
 しばらく走らなかったけども、
 そこは人間。自然治癒力。
 徐々に快方へ向かい、痛みが消えたので、
 久しぶりにラン。

 二子玉川から、多摩川を下流へ10k。
 折り返して10k。合計20k。
 走る直前まで雨。
 しかし、雨は止み、急速に青空が広がり、
 南から暖かい風が吹いてきた。
 スカッとミントブルーみたいな状況だ。
 ゆっくりと走り出す。
 広がる空、静かに流れる川面、整備されたグランド。
 どこかの大学生が、ラクロスの練習をしている。
 女子マネージャー(状況的に)が、ブツブツつぶやきつつ、
 ビデオ撮影をしていた。
 後で、皆で研究材料とするのだろう。
 楽しそうだなあ。
 旧ジャイアンツグランドを越えて、丸子橋をくぐる。
 武蔵小杉のビル群は、立派。
 その先のJRの橋では、東海道新幹線のぞみが
 スーと音もなく通過していく。
 さっきまで、ダートロードを走っていたけども、
 その先は、綺麗に舗装された川沿いの道。
 浮世の諸問題も忘れて、
 気持ちよく、キロ6分程のスピード。
 キヤノンの本社ビルを過ぎたあたりで引き返す。
 たまリバーコース終点までは、後5q。
 時間があれば行きたいね。走りたいね。

 週末に、いよいよハセツネが開催されるので、
 あれこれ考えながら走った。
 今回は、昨年に続き2度目の出場。
 昨年は、初めてで不安だらけだったけども、
 今年は、昨年程の怖さはない。
 タイム的には、14時間を切りたい。
 その力があるかは別として、切りたい。
 13時のスタートだから、日が変わり、
 3時までにゴールしたい。
 今回は、夜を走るのも楽しみだ。
 漆黒の闇でも、楽しいに違いない。
 ノンの自転車についているLED照明を
 借りていくつもりだ。
 雨は降らなそうだけども、暑そう。
 なので今年は、水を3ℓ持っていく。
 ハイドレの2Lと、5dLのペット2本。
 ちなみに今の小学校では、ℓと教えていないらしい。
 世界的にアルファベットの筆記体はメジャーでは
 ないので、きちんとLと表記することに統一したらしい。
 で、補給食。
 今年も、春達におむすびと唐揚げを頼んでおいた。
 ちゃんと食べて、元気いっぱいで走る予定。
 もちろん、みかんも持っていく。
 ゆで卵はやめておく。
 装備は、昨年とほぼ同様でOK。フフ。
 などと考えているうちに、集中度合が増してくる。
 緊張感でドキドキしてくる。
 ハセツネに向けて、気持ちがしっかりセットできた。
 来い、もしくは行け、ハセツネ。私。

 という多摩川ランニング。
 空を素早く移動する白い雲が美しかったな。


posted by hide at 07:50| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする